Point ご自身の歯を残すためのポイント

Important

当院が重要視する
適切な診断とは
What is a proper diagnosis?

生物学的根拠に基づいた診査・診断を行い、その上で、医学的なエビデンスに基づいた治療計画を立てて治療を行っています。どのような治療ができるのか、どのような症例に対応が可能なのかも大切ですが、当院ではなによりも「診断」の過程を大切にしています。歯が痛いとき、一般的には歯髄炎と診断をして、抜髄という神経を取る処置を行うことが多いですが、当院では安易に抜髄という手段を採らないようにしています。

その炎症がどの程度波及して(広がって)いるのか、炎症は可逆性なのか、不可逆性なのか、ネクローシス(歯髄が死んでいること)が起こっているのか、噛み合わせはどうか、歯肉の状態、歯周病の程度...。「歯が痛い」という症状に対して、あらゆる可能性を多角的に考え、診断を下すことが大切です。そのためには、さまざまな検査が必要になります。検査の最中、患者様の苦痛を取り除くことはできませんが、きちんと検査をして適切に診断を行うことで、歯髄を残したり、適切な治療を行える可能性が高くなります。

そのため、当院の治療は一刻も早く苦痛を取り除いて欲しい、という方には不向きかもしれません。しかし、この検査のための少しの時間が、その歯の一生を左右することを知っているからこそ、生物学的根拠に基づいた診査・診断を行い、その上で、医学的なエビデンスに基づいた治療計画を立てて治療を行っているのです。

治療時間について

当院には青森県内のみならず、他の東北各県から治療に通われている方もいらっしゃいます。遠方にお住まいで、当院で治療を受けたいという方に対しては長時間のご予約をいただき、なるべく日数をかけず治療を行っています。根の治療などは治療の性質上、どうしても日数がかかってしまいますが、当院には院内技工室があり、即日で終えることのできる治療も多数あります。

また、内容によっては、1回が長時間になったとしても当日中に終わらせたほうが感染のリスクを下げられる治療もあります。患者様の中には、ほとんど1日中院内でお過ごしになる方もいらっしゃいます。患者様の状況に合わせて、柔軟に対応いたしますので、ぜひご相談ください。

POINT 全ての治療で大切にしているポイント

  1. 器具の滅菌・院内衛生 STERILIZATION AND HYGIENE

    言うまでもないことですが、治療に使用する器具は全て滅菌されたもの、もしくはディスポーザブル(使い捨て)のものを使用しています。滅菌されていない器具を使うことは、患者様を意図的に感染させることと同義です。

    当院ではそのような事態を避けるため、院内衛生と器具の滅菌、感染対策への意識を徹底しています。衛生環境の整った院内で、清潔な器具を用いて治療を行っていますので、ご安心ください。

  2. マイクロスコープの活用 UTILIZATION OF MICROSCOPE

    歯はとても小さな臓器です。よく見えない状態で治療を行うと、必要以上に歯を削ってしまったり、小さな虫歯やマイクロクラック(微小なヒビ)を見逃してしまい治療が適切に行えない可能性があります。マイクロスコープは用途に合わせて最大20倍まで視野を拡大することができるため、そのような事態を防ぐことができます。 

    マイクロスコープは使い慣れないと治療に時間がかかってしまうのですが、当院では患者様が短時間でも精密な治療を受けられるよう、しっかりとトレーニングを行っています。

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  3. インフェクションコントロール INFECTION CONTROL

    インフェクションコントロールとは、直訳すると「感染制御」のことです。歯周病や虫歯はいずれも細菌感染が大きな原因の1つであるため、細菌をいかに排除できるかが治療成功の大きなポイントとなります。根の病気が再発を繰り返すのは、感染制御がきちんと行われていないから、もしくは保険治療の範囲で感染制御を徹底するのは難しいからなのです。

    そのため、治療時はラバーダム防湿や根管治療では隔壁の形成、適切な消毒薬の使用などにより、患部に細菌が侵入しないよう心がけています。術前後のインフェクションコントロールを厳密に行うことで、特に根管治療の成功率は飛躍的に向上します。

  4. マイクロリーケージの阻止 BLOCKING MICRO LEAKAGE

    マイクロリーケージとは直訳すると微小漏洩のことです。日本語にしても少しわかりにくいですが、漏洩とは、漏れるはずのないものが漏れ出てしまうことを指します。歯科の場合は主に唾液などを介して、細菌が歯と補綴物(詰め物・被せ物)の間、もしくは根管の中などに入ってしまうことを指します。

    せっかくきれいにした根管の中や虫歯の部分に細菌が付着してしまうと再度虫歯になってしまい、治療が無駄になってしまいます。マイクロリーケージを起こさないためには、根管治療中は水で固まる適切な素材で仮の蓋をすること、強固な素材で隔壁を形成すること、ラバーダム防湿を行うことなどが挙げられます。

    また、虫歯治療では補綴物や接着剤であるセメントの素材や、補綴物自体の精密さが大切です。保険診療で使用される金属は、どんなセメントを使用しても歯にくっつくことはなく、精密に作ることもできないため、どうしてもマイクロリーケージが起こってしまい、二次齲蝕になってしまいます。しかし、セラミックなどの素材であれば、精密に作ることができ、歯としっかり接着するセメントを使用することができます。

  5. ラバーダム防湿 RUBBER DAM MOISTURE PROOF

    ラバーダム防湿とは、患歯(治療する歯)以外をゴムの膜で覆い、唾液や滲出液などをブロックするための処置です。海外ではごく一般的に行われており、特に根管治療ではほとんどのケースで使用されています。ラバーダム防湿を行うとさまざまなメリットがあり、多くの論文でその重要性が示唆されているのですが、日本の保険診療では診療報酬(治療費)が出ないため、多くの医院では行われていません。

    また、日本は島国であるため、感染に対して無頓着であるとも言われています。当院では特別な事情がない限り、根管治療時はラバーダム防湿を行います。ただし、アレルギーのある方には使用できません。ゴムだけでなく、マンゴーやキウイといったトロピカルフルーツにアレルギーがある方もゴムに対してアレルギー症状を示す場合がありますので、担当医にご相談ください。

MERIT メリット

  1. 唾液を介した細菌感染を防ぐ

    唾液中には大量の細菌が含まれているため、治療している歯に唾液が付着してしまうと再感染が起き、せっかくの治療が無駄になってしまいます。ラバーダム防湿によって唾液の侵入を防ぎ、患歯を清潔に保ったまま治療を行うことができます。

  2. 効果の高い消毒液が使用可能

    綿などを治療する歯の近くに置くだけの簡易防湿では、薬品が歯の根から漏れてしまい、粘膜に障害を与える可能性があるため、強い消毒液を使用することができません。

    また、唾液などで薄まってしまうため、薬品は濃度が変化し、消毒がうまく行かない可能性があります。ラバーダム防湿によって薬品が粘膜に触れるのを防ぐことができるため、効率よく根管の消毒を行うことができ、薬品の濃度も保つことができます。

  3. 粘膜や舌を傷つける心配がない

    ラバーダム防湿は歯以外の部分を全て覆うため、器具によって粘膜や舌を傷つける心配がありません。器具がお口の中に落下するのも防ぐことができるため、安心して治療を受けていただくことができます。

  4. 水分をブロックできる

    唾液や滲出液といった水分は、細菌を媒介するだけでなく、薬品の濃度を変えてしまったり、セメントなどの接着力を落とす原因にもなります。特に補綴物を装着するためのセメントは水分に弱く接着力が大きく落ちてしまうことがわかっています。ラバーダム防湿は水分が入り込むのを防ぎ、セメントの劣化とそれによる二次齲蝕を防止することができます。

  5. 水が喉に入りにくい

    根の治療や虫歯を削る治療では、水が出る機械を使います。機械から出る水は患者様が想像するより多いため、喉の奥に溜まってしまい、苦しい思いをしたことのある方も多いと思います。ラバーダム防湿を行うと、機械から出る水はラバーダムにたまるため、水が喉に流れ込んで来る心配がありません。

DEMERIT デメリット

  1. 治療中は口を開け続けなければならない

    ラバーダム防湿を行うと、口を閉じることができなくなります。そのため、顎関節症がある方など、大きく口を開くことが苦手な方は少し大変かもしれません。そのような場合はバイトブロックという口を開けやすくする器具もありますので、担当医にご相談ください。

  2. 喉に唾液が溜まりやすい

    機械から出る水や消毒液が喉に流れてくることはありませんが、ご自身の唾液は喉に溜まってしまいます。ご自身で飲み込むのが困難な場合は、機械で吸い取ることができますので、遠慮なくお伝えください。

  3. ゴムが苦手な方や
    アレルギーの方には
    使用できない

    ラバーダムはラバーと名がつく通り、ゴムを使用しています。そのため、ゴムにアレルギーがある方には使用できなくなっています。また、ラバーダムフィルムには独特の匂いがあるため、苦手に思われる方もいらっしゃいます。

根管治療 Root canal

ニッケルチタンファイル

ニッケルチタンという新しい合金でできた針のような治療器具で、根の機械的(物理的)な清掃に利用されます。針の部分はノコギリのような形状になっており、感染した歯質を除去するのに役立ちます。

ニッケルチタンファイルが登場するまで、ファイルはステンレス製のものが主流でした。しかし、ステンレスには弾性(曲げると元に戻ろうとする力)がなく、曲がった根を治療すると途中で折れてしまったり、根の形に沿って曲がらないため神経の道から逸れて誤ったところに孔を開けてしまう危険性があります。

ニッケルチタンは超弾性と呼ばれる性質があり、非常に高い弾性を有することで有名です。そのため、根の形に沿って曲がり、しっかりと中を清掃することができます。

根管洗浄

ファイルを使って物理的に根管を清掃することも大切ですが、消毒薬を使って根管内を洗浄することも重要です。ラバーダム防湿をしっかりと行っていれば、口腔内に薬液が漏れる心配がないため、効果の高い薬品を使うこともできます。根管洗浄の際はシリンジと呼ばれる注射器のような器具を使用します。シリンジの中に洗浄のための薬品を入れ、針の先から薬品を注入して循環させることで、根管内を余すことなく消毒することができます。

針の先の部分は注射器を押す時に外れないようロック式のものを使用し、患者様間の交叉感染を防ぐためにディスポーザブル(使い捨て)にしています。また、針の先端から薬液が出る方式のものは根尖孔(根の先の孔)から薬液が飛び出してしまい、ひどい痛みを引き起こす可能性があるため、針の横に穴の空いたサイドベント方式を採用しています。洗浄のための薬液にもこだわり、グローバルスタンダードである3%次亜塩素酸、17%EDTA、2%クロルヘキシジンを症状に合わせて使用しています。

歯科用CTの活用

歯科用CTは歯の内部も3次元で見ることのできるレントゲン機器です。歯の根の部分は通常骨の中に埋まっているため、内部がどうなっているのか確認することはできません。しかし、歯科用CTがあれば、歯の内部を検証し、原因がどこにあるのかを突き止めることができます。

また、歯科用CTはデジタル式のレントゲンであるため、被爆量が少なく、画像の加工も容易に行うことができます。自由に拡大・縮小やコントラストを調整することも可能で、根の病気の原因究明に役立ちます。

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新しい材料の導入

当院では常に新しい情報を集め、有用だと論文などで示された材料や治療法を積極的に取り入れています。1993年に開発されたMTAセメントは、水分があっても固まり、通常のセメントのように収縮することもなく、殺菌作用も有するために、非常に有用だとされてきました。

日本では覆髄材としてのみ薬事認可されていますが、それ以外にもパーフォレーション(誤った部分に穴が空いてしまうこと)のリペアなどにも有効です。

最近では、このMTAセメントが進化した バイオセラミックスパテやバイオセラミックスシーラーといった材料も開発されています。その有用性を確かめ、当院でも治療に活用しています。このように、歯科の世界では新しい技術や材料が次々と開発されているため、情報を集め、グローバルスタンダードから遅れを取らないよう努力することも、歯科医院としての務めだと思っています。

外科的根管治療

通常、根管治療では頭の方から穴を開け、内部を清掃していく、という方法が採られます。しかし、根が割れてしまっている場合や膿の袋が大きいケースでは、そのような方法では治癒が見込めないこともあるのです。そのような場合、一般的には抜歯が選択されてしまいますが、当院では通常の治療では治らないケースに対しても治療が可能になる場合があります。意図的再植法や歯根端切除術などを用いることで、歯を残せる可能性があるのです。もちろん、全てのケースに対応できるわけではありませんが、すぐに抜くのではなく、歯を残す方法を試みることも選択肢の1つなのではないでしょうか。

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最小限の切削

虫歯菌に感染した歯質は全て取り除かなければなりませんが、必要以上に削ってしまうと、歯が脆くなる原因になります。個々のカリエスリスクを把握したうえで治療が必要な場合はマイクロスコープできちんと確認しながら、削る範囲を最小限にとどめることで、健康な歯をなるべく多く残すことが、虫歯治療を成功させる鍵となります。最小限の切削はMI(ミニマル・インターベーション)と呼ばれ、世界でもスタンダードとされています。この治療を行うには、より精密で細かく、高価な器具や技術が必要となりますが、患者様の利益のために、当院では必要な器具を取り揃えて治療にあたっています。

マイクロクラック

不適切な噛み合わせや歯軋り・食いしばりなどによって発生するマイクロクラック(微小なヒビ)やごく小さな虫歯は肉眼では確認できないこともあります。これらを見落とすとそこから虫歯が広がり、再度治療を行わなくてはなりません。そのような事態を防ぐため、マイクロスコープでしっかりと確認し、見つかった場合には迅速に適切な処置を行うことが重要です。

精密な修復・補綴治療

マイクロリーケージや、再度の感染を防ぐためには、虫歯を削って弱くなってしまった部分を適切な材料で緊密に塞ぐ必要があります。そのためには、歯としっかり接着する材料を使い、詰め物や被せ物といった補綴物は精密で歯にぴったりフィットするものを作ることが大切です。もちろん、保険診療の金属を使うこともできますが、それでは再感染を防ぐことはできず、遅かれ早かれ治療をやり直す必要が出てくるでしょう。当院では、熟練の歯科技工士が補綴物を作成しています。適切な材料を選ぶことで、二次虫歯を防ぐことができます。

歯周病治療 Periodontal

精密な検査と診断

歯周病治療を行う上で、なによりも大切なのは、精密な検査とそれに基づく診断だと思います。歯周病は磨き残しだけが原因だと思っている方もいらっしゃいますが、歯並びや噛み合わせ、根の状態によっても歯周病を発症することがあります。何が原因で、どのような治療が適切であるのかをしっかりと調べて対処することで、歯周病をきちんと治療することができます。

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矯正治療の活用

歯周病の原因は磨き残しや噛み合わせなどさまざまですが、多くの原因に対して効果があるのが矯正治療です。歯列不正はただ見た目が悪いだけでなく、歯磨きがしにくく汚れが溜まりやすい、噛み合わせが狂って一部の歯に負担がかかりやすい、力が不均等になり骨吸収や歯の破折が起きやすいなど、さまざまなデメリットがあり、これらの問題は審美性よりも深刻です。

そのため、お口の中を健康に保つために見た目を気にしない、という方に対しても、矯正治療の必要性をご説明し、ご提案させていただくことがあります。矯正治療を行うことで環境が一変し、より機能的で健康なお口を手に入れることができます。

適切な補綴治療

補綴治療とは、歯を補う治療の総称です。歯周病は歯を失う可能性のある疾患です。なるべく抜かずに治療を行っていきますが、残すよりも抜いたほうが利益があると判断した場合には、抜歯をご提案いたします。しかし、歯を抜いてしまうと、会話や食事に大きな問題が生じる可能性があるため、抜歯を行う場合はその後の補綴治療とセットでお話するのが当院の特徴です。お口の機能をしっかり回復しつつ、噛み合わせを整えることで、残った歯にかかる力を分散して、破折や歯周病の進行から守ることができます。

Contact

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